MICE BIZ MICE Online

NEWS

最新情報

メディア

2024.05.14

【会場DX事例】データを使って売上アップを実現し業務時間を10分の1に削減!その秘密は?

2024年3月26日に上場したハッチ・ワーク社。同社はアットビジネスセンターというブランド名で貸し会議室事業を展開している。アナログ中心で行なっていた業務をデジタル化し、売上拡大や業務の効率化に繋げた同社は何を行なったのか?株式会社ハッチ・ワーク ビルディングイノベーション事業本部 執行役員兼本部長 藤根康寛氏、同事業部 会議室グループ プロジェクトマネージャー 永野愛子氏にお話を伺った。

ハッチワーク株式会社

ハッチワーク株式会社 ビルディングイノベーション事業部 執行役員 藤根康寛氏(写真,右)、同事業部 会議室グループ プロジェクトマネージャー 永野愛子氏(写真,左)

 

関東・関西の2つのエリアで展開するアットビジネスセンター

Q 御社の貸し会議室事業の紹介をお願いします。

A 弊社はアットビジネスセンターという貸し会議室を運営しています。関東と関西の2エリア、合計16施設を展開しています。最も収容人数が多いルームは213名で、それほど多くなく、100名規模のルームを多数抱えています。こだわっているポイントとしては、駅直結や駅から近い会議室をリーズナブルな価格で提供できる点です。イベントや会議の場合、スペース利用者(主催者)のその先にイベント参加者がいます。駅直結や駅から近い施設だと、イベント参加者が迷わず会場にたどり着け、「あの会場良かったね」という声があがります。それがスペース利用者(主催者)に届き、イベント参加者から高い評価を得たのでまた使おうとなります。

アットビジネスセンター東京エリア

アットビジネスセンター東京エリア

Q 駅から近い施設だとどうしても利用料金が高いというイメージを持ってしまいます。なぜ、御社はリーズナブルな価格で提供できるのでしょうか?

A そこはオフィスデータベースの事業が祖業でもあることから、オフィスビルの物件情報に強いことがあげられます、結果、優良物件を仕入れさせていただいています。スペース利用者(主催者)からは、「この場所がこの価格で借りられるの?」と言われることがよくあります。

Q 関東と関西の2つのエリアで、貸し会議室を運営されているとのことですが、その中で拠点を選ぶポイントを教えていただけますか?

A 拠点としては人やオフィスが多いエリアや新幹線の導線も意識しております。特に東京駅や新大阪の場合、関東関西以外のお客様からの利用も多くなっています。

アットビジネスセンター八重洲

アットビジネスセンター八重洲

 

5/30開催 事例から学ぶ!DXで貸しスペース事業の利益拡大へオンラインセミナー

 

アナログ管理の限界

Q 貸し会議室事業を展開している中、現在は弊社のクラウド型スペース予約管理システム「MICE Booking Cloud」を導入いただいております。導入前はどういった方法でスペース管理をされていたのでしょうか?

A 10年以上前になりますが、スタート時はエクセルで管理をしていました。その後、お付き合いのあるシステムインテグレーターが在庫管理システムを持っていたので、それをカスタマイズして使っていました。

Q その際、どういった課題がありましたか?

A 当時は社内に標準的な業務プロセスがほとんどない状態でした。その影響は多々ありますが、たとえば営業は案件を日々報告するのではなく、月末に一括で報告するという状況でした。そのため経営側は予算に対する売上の進捗をリアルタイムで把握できなかったのです。

Q そういった中、旧システムのリプレイスを検討するにキッカケを教えていただけますか?

A 上場というのが一つのきっかけでした。経営の精度を高めるために、売上金額を把握できるオペレーションが確立されている点があります。旧システムでは課題があり、たとえば8%の消費税を10%に変更するだけでも困難。そのため売上集計にも時間がかかっていました。人の手が介入することで数字の精度も荒かった面もあると思います。

新しいシステムを検討するにあたり、ゼロからシステムを作るという選択肢も出ました。ただ、ゼロから作ると、莫大な費用と工数、時間がかかってしまいます。さらにその後も改修をしていかなければいけないという問題もあります。先々を見た場合、その費用も膨大になります。また、弊社はシステムの専門家ではないので、自分たちのニーズに対する実現度をきちんと検証できるのかという問題点も感じていました

Q 弊社の「MICE Booking Cloud」を導入するに至ったポイントを教えていただけますか?

A 会議室に特化された予約システムであるところに最も魅力を感じました。機能をヒヤリングしましたが、かなり完成度が高いことがわかりました。さらに改修もMICE社で対応してもらえる点、さらにソフトバンクのグループ会社なので基盤の安定感もあるのではと考えて導入に至りました。

 

データを使って顧客を知り、打ち手を考え実行、売上拡大へ

Q 実際に導入してみて効果はいかがでしょうか?

A 業務の効率化、顧客満足度向上による売上拡大といった点で効果が出ています。

前者でいえば、従来、売上報告書を作成する際、3営業日程度かけて作っていました。今はそれが1/10以下になっています。数字のミスもなく正確な数字が素早く出せるので大変感謝しています。
営業が案件を日次で入力しているので売上進捗もリアルタイムで把握できるようになりました。与信情報も同システムで一元管理できているのですぐに対応できています。

また、「MICE Booking Cloud」から得られるデータを使い売上拡大に繋げています。
3月はもともと採用関連(会社説明会や面接)のニーズが多かったのですが、今はそれが下火になっています。逆に4月、5月、6月は研修利用が増えていることがデータからわかりました。ここから「弊社がスペース利用者に提供すべき価値は何か?」を考えました。研修の際、役立つものとして、「ホワイトボードがあった方が良いよね」「電源コードをたくさん準備しておこう」「みんなで書ける模造紙も必要だよね」「付箋も準備しよう」といった議論が生まれ、それらを準備しました。結果、スペース利用者の満足度が高まり売上拡大へと繋がりました。データを使って利用用途を正確に把握し、その用途に向けて付加価値サービスを増やしていく、今後もこういった方法で売上拡大に繋げていきたいですね。

また、御社のエンジニアがすぐに対応してくれる点も非常にありがたいです。弊社の営業やコールセンターは日々、直接お客様に接しています。何かあった際は迅速に顧客対応が必要になります。その意味で、御社エンジニアがすぐに対応していただけているので助かっています。

Q 「MICE Booking Cloud」に対して今後、どういったことを期待していますか?

A 2020年から新型コロナが始まり、今、コロナで消えた需要がかなり戻ってきています。コロナの前と後での違いといえばスペースの利用用途が多種多様になっている点が挙げられます。たとえば整体やヨガの教室、音楽の観賞会、アイドルの握手会等、それにより顧客の幅も広がりました。若い方の利用が増えましたね。予約の仕方も変わってきています。従来は電話中心だったのが、今後はWeb中心になっていくと思われます。決済も昨今はpaypayを筆頭にしたQR決済が増えています。そういった時代の変化に対応できる使いやすいシステムになることを期待しています。

 

5/30開催 事例から学ぶ!DXで貸しスペース事業の利益拡大へオンラインセミナー